NHKあさイチ「酵素の実力」の内容の間違いと真実

鶴見酵素栄養学協会の見解抜粋 (2012年4月26日)

鶴見酵素栄養学協会

【参照元URL http://tsuru-ppk.com/blog/2012/04/nhk.html】

「酵素の補充について」当サイトが各社に質問した際、酵素八十八選のスローヴィレッジ社の回答で紹介されていた鶴見酵素栄養学協会による「NHKあさイチ「酵素の実力」の内容の間違いと真実」という記事がとてもわかりやすかったのですが、1年以上経過してリンク切れとなってしまったようなので、その概要を以下に引用します。

今回(2012年)4月23日朝にNHKで「あさイチ」という番組の中で「酵素の実力」という酵素に関する特集が放映されました。しかし、ここで放映された酵素に関する内容は極めて誤解を招く、或いは間違っている内容であるために、我々鶴見酵素栄養学協会(蘇生会)としましては異議を唱えざるをえなくなりました。

 

そこで、その放映された内容を記し、そのどこが我々鶴見酵素栄養学協会側の見解と違うのかを検証し酵素の本当の姿を示し、皆様に真実を知って頂きたいと思います。
なお、我々鶴見酵素栄養学協会(蘇生会)の見解とは我々個人の見解ではなく、現在世界的に支持され、アメリカの大学でも採用されているエドワード・ハウエル博士が提称した「酵素栄養学」がベースの見解であることをお断りしておきます。

 

《鶴見酵素栄養学協会の見解》

☆「酵素の実力」という番組で愛知学院大学教授 大澤俊彦氏という方が述べた内容はおおむねつぎのようなことです。
『酵素は30~60℃まで活性化し70℃以上で働かなくなる。それ故、少し加熱(70℃)した方が良い。一度低温で蒸し、ゆっくりと70℃以下の調理が良い。朝、ジュースだけというのは、ビタミン、ミネラルは摂れるからお薦めだが、酵素を摂るといったことから考えると意味がない。

 

胃酸で酵素は失活する。pH3以下で、プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)は失活(働きを失う)した。酵素もタンパク質だから、胃酸で分解してしまう。生の食材(ジュースなど)を摂っても胃で働かないから生で摂らなくても良い。胃に入るまでが勝負なのだ。

 

酵素は下ごしらえをしっかりすることが肝心。下ごしらえが、人間がやらなくてはならないこと(分解)を事前にしてくれる。これらはキウイのプロテアーゼを調べた結果、判断した。また、ジューサーは、低速も高速も大差はない。』

 

まず、この特集の最も誤解を招きそうなところは、このキウイフルーツのプロテアーゼが70℃まで生きている活性を示し70℃を境に失活するという箇所です。これは、キウイフルーツのもつある種のプロテアーゼで実験しているのですが、この実験はあくまで特殊だと思われます。

 

確かにこの実験のように70℃まで生きていて活性を示すプロテアーゼもいることでしょう。しかし、一般的にはかような例は稀です。普通は48℃で2時間、50℃で20分、53℃で20秒で失活することが判っています。その根拠は極めて多くのアメリカやヨーロッパでの実験で証明されています。このキウイフルーツのプロテアーゼは70℃まで生きることが出来た特殊な例にしか過ぎません。

 

酵素の種類は体内には3000種類と言われていましたが、2005年頃から20000種類以上存在することが言われるようになりました(アメリカ ヒューストンのトランスフォーメーション発)。またプロテアーゼも9000種類以上体内に存在するということも言われるようになりました。それ故、どのプロテアーゼを使って実験したかで、失活する温度に違いが出てくるのは当然です。

 

問題はこの特殊なプロテアーゼ(70℃まで失活しない)を使ってあたかも「酵素は何でも70℃まで失活しない」として酵素の代表のようにテレビ(それもNHK)で発表した事です。テレビでは48℃で失活するのは間違いと報道されましたが、それこそ間違いなのです。

 

酵素のはたらき

 

テレビで放映された酵素の活性温度は上図のようです。しかし、ここにも書かれてはいますが、これはあくまでキウイフルーツのある種のプロテアーゼの働きでしか過ぎません。これをもってして「酵素は全てこうだ」などということは全くできません。むしろこんな例は大変特殊なのです。もちろん逆に全てが48~53℃で失活するということもありません。このように70℃まで大丈夫な酵素もいるのです。

 

でも、絶対的に言えることは「すべてが70℃で失活するわけではなくむしろ特殊」だということです。ここで一般に示されている資料を提示します。

 

(転載不能のため資料は省略)

 

東コネチカット州立大Dr.Ross Koning からの資料がこの図です。この図にあるOptimumとは最適温度ということ。
この40℃を過ぎると酵素はどんどん失活していき47~48℃近くでもう働かないという失活状態データーがこの図です。そしてこういうデーターがこの他に極めて多数出ています。

 

(転載不能のため資料は省略)

 

☆次に問題なのは『酵素はpH3以下の胃酸で失活する。だから酵素として生のものを食べる意味はない酵素は食べる前に下ごしらえとしての役割しかない。また酵素はタンパク質だから胃酸で分解してしまう』ということ。

 

《鶴見酵素栄養学協会の見解》
この話は全く酵素のことが判ってない見方です。この酵素は次のことが正解です

 

1.胃酸で失活するようにみえる酵素もあるが、そういった酵素は腸に入り腸のpH6,5で再び蘇えり腸で酵素として働く。

 

2.胃酸で死なないで、胃酸で働く酵素も多々ある

 

胃内での酵素の安定性に関しては次の図3~図11で示しましたが、かように胃酸で活性化する酵素も多いいのです。つまりNHKの大澤氏の見解の『胃酸で失活。だから酵素は外から摂っても意味がない』というのは全くの間違いなのです。

 

(転載不能のため図は省略)

 

もし、胃酸で失活して酵素を外から摂っても意味がないとしたら、では野生動物は何故「生食」オンリーなのでしょうか?酵素は生のものにしか存在しないのですから野生の動物は限りなく酵素食なのです。

 

胃に入って酵素が働くから野生の動物は生食オンリーなのです。よしんば胃酸で失活するように見えても、ほとんどは腸に入り復活して活動するのです。このことは1985年エドワード・ハウエル博士がEnzyme Nutritionで発表して明らかになりました。それ以来このように『酵素は胃酸で失活するから外から摂っても無意味』と言う人はいなくなりました。しかし、もう27年も経ってこの昔の間違った論旨をテレビで発表し放映するとは呆れて物も言えません。

 

☆次に『酵素はタンパク質だから胃酸で分解してしまう』について。
《鶴見酵素栄養学協会の見解》
これはかなり昔に決着のついた話です。酵素は「タンパク質という殻に包まれた生命力のある媒介物」であり酵素=タンパク質ではありません。タンパク質には酵素の入っているものもあるが、おおむね入っていないものがほとんどです。タンパクという鎧をまとわないと行動できないためタンパク質という殻に身を入れているだけでしか過ぎません。

 

それにしても「胃中の胃酸でタンパクである酵素が分解してしまう」などと言った人は酵素栄養学の歴史の中でもいないのではないでしょうか?酵素はタンパク質では全くない独自の媒介物質なことはこの50年の酵素栄養学の研究で明らかになっています。

 

☆次に『ジューサーは低速も高速も関係ない』について
《鶴見酵素栄養学協会の見解》

鶴見酵素栄養学協会

食物は何でもそうですが、すりおろしたりするとすぐ酸化が始まります。すりおろした後、酸化を見る指標の過酸化物価を見ればわかりますそして高速でのすりおろしは摩擦熱がかかります。高速になればなる程酸化がしやすくなるのは過酸化物価で測れば一目瞭然です。その酸化をさせたくないためにお蕎麦をひく時は極めて低速の石臼を使うのです。高速でひくと風味が失われ、大変まずくなるのは酸化するからです。

 

ジューサーでも同様です。高速ではやはり摩擦熱が高くなり酸化しやすいのです。だから石臼原理の低速ジューサーの方が酸化しにくく体にはベターとなり良いのです。

 

天下のNHKが放送したことで、多くの人達が間違って信じてしまったら大変な罪な話です。
これを聞いて「酵素は外から摂らなくていいんだ」とか「酵素は下ごしらえしか意味がないんだ」などと思った人が多々いるかもしれません。それを信じて生の物を摂らない人も出て来かねません。

 

そこで、酵素は抗酸化な食物の代表です。それ故、生を摂らないということは病気に結び付くと言えます。あえて我々鶴見酵素栄養学協会としましては、かような反論を展開させて頂きました。どうかこれを見、読んで、真実を知って頂きたいと願わずにはいられません。

2012,4,26

鶴見酵素栄養学協会のHPはこちら

NHKあさイチ「酵素の実力」に対する反論としては、こちらのページも参考になります。

食物酵素は体に吸収されないの?

 

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